no title(2007)

誰に止められようとも
壊したくないものがあって
手に入れたいものがあって
泣きながらも欲張りに
優しさに笑顔を見せて
上手くいかないことだらけでも
今日を積み重ねていくんだろう

誰にも見えない心で傷が生まれても
捨てられないなら、仕方ないね
自分だけじゃないから
また始めればいいよ

未来を信じてなかった私も二十歳になって
明日は恐いけど
もう昔に戻りたいとは言わない
今は一人でも立てるし
繰り返す探し物も
いつか好きになれそうだから。


   * * *


私には何も出来ない
何も考えたくない
何にも縛られたくない
全て忘れてしまいたい

締め切った部屋で泣き叫んでも
誰にも届かない
今ここを飛び出しても
気づいて追い掛ける人はない

けれど本当に一人なら
迷ったりしないし
逃げ出したいとも思わない
重く感じる気持ちも
最初からないだろう

理想を一人で叶えられるなんて
思い上がりは捨てましょう
隠れた努力も必要だけど
時には差し出された手を信じて

期待どおりにいかない現実に傷ついても
明日は笑えるように
重い足でも歩き出そう


   * * *


困らせることがあっても
傷つけることがあっても
大丈夫と言って
そばにいてくれる人がいる

努力しても完璧にはなれなくて
離れていく人もいるだろう
不安から空回りして
時には居場所を失ったり
それでも
自分ひとりを責めないで

必要なのは後悔でも謝罪でもない
明日を創る力だけだから
涙は今日に置いて
一つずつ変えていこう


   * * *


人を怒らせて
傷つけて
嫌われて
ダメだって気づいた時には
謝るタイミングを逃して
もしかしたらもう一生会えないかもしれない
それでもなぜ生きられるの?

「あなただけのせいじゃない」
そんな言葉で安心出来るほど単純なコドモじゃないけど
そう言ってくれる人が本当は大切で
さり気なくプレゼントされたケーキに
ありがとうって笑えたり

自覚した罪は消せなくても
逃げ出さなければきっとそこに許しはあるから
傷を重ねるのを恐れないで
明日を生きられたらいい


   * * *


無難に生きたいなんて思わない
ギリギリでいい
誰よりもカッコ良く
何にも縛られず自分の声を発して
わかってはもらえなくて
大変だね、何でそんなに頑張るの、と言われても
自分がそこに意味を見い出して
成長していければいい

だけど一人で強くいることの限界も
助け合える仲間の大切さも知ってて
人にすごさを認めてもらいたい欲もある

1年後の今日、私は挑戦しているかもしれない
2年後には、今とは違う場所で生活しているかもしれない

全ての理想に適う「仕事」なんてきっとないんだろう
それでも、妥協を可能性に変えていけたらいい


   * * *


眠り方を忘れて、ネットの海を彷徨う
もう昔のようにここに居場所はないのだと
声がする

足掛かりなしに自分が望むレベルの関係が気付けないのも
あふれる言葉が虚しく過ぎ去るのも
とっくに知っているのに

未熟さを突き付けられる現実が怖くて
リアルに居場所はないと思い込んで
仲間を見捨てて逃げようとする
そんな自分を許せないまま

弱い時は縋りたくなっても
一つの出会いで変わることが出来るリアルを選んだ私は
この場所を通過点にして
明るい朝を歩けるように
目を閉じる


   * * *


「必要とされる限りは諦めない。ここが、私の居場所だから」
そんな思いに縛られ、楽しさを忘れて

「それを失ったからって存在価値を否定されるわけじゃないけど、自分が好きで手放せない」
そんな思いだけでも足りない

なぜ一人で歩くのではなく
みんなと走ろうと思ったんだろう

引きずられて傷つくのはわかってるのに
自分の限界を超えるには
差し出された手が必要だから

その温かさの中でしか
本気の涙を流せないから


   * * *


この世界が、純粋に綺麗なものじゃなくても
一生、一人の人に出会えなくても
揺るがない意味、なんてわからなくても

不完全でも

書く、ことも
歩く、ことも

漂う虚しさの中で

時には光のように
時には刺のように

続いていくから


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