過去と未来
『輝かしい未来なんてなぜ言えるの ただ枷は重みを増していくだけなのに』 高校の頃綴った『詩集』には、そんな言葉が刻まれていた。 留まりたいと思う世界は簡単に崩れさって。 新しい自分の構築を急かされて。 空っぽの真実に気づかれないように、怯える。 それは確かな現実。 一方で、世界を諦めて楽になろうとしながら、希望の存在に救われてきたのも現実。 どんなに目を背けても、生きるかぎり完全な闇には落ちないから。 重みを増す枷を毎日投げ出したくなるだろう。 逃げられないことを嘆くだろう。 何を自分が望んだのかさえ見失うこともあるだろう。 未来の輝きなんて夢に過ぎなくて、今に立ちすくんだりするだろう。 ただ、今の輝きと過去から続く温もりに微かでも気づいているならば。 そこに意味があるといえる強さが欠けらでもあれば。 真実の重さにつぶされずに生きていける。 きっと。 return |
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