涙
いつからか
嫌なことがあって心がずきずき痛んで唇をかみ締めても
目から涙が零れ落ちることはなくなり
ただ、乾いた心にひび割れが少しずつ増えていく
このまま乾いていったら
いつか砂漠のようにからっからになるのかな
でもまだ砂漠の方がいい
砂漠にはそれを照らしてくれる太陽がいるから
毎日泣いていた頃を振り返り
あの頃の方が幸せだったと思ってしまう
あの涙には深い悲しみが込められていただろうに
そんなこと今はもう覚えていない
でも そういえば涙って 悲しい時にだけ流すものだっけ
ずっと忘れていたけれど
嬉しい時にも泣いていいんだよね
それなら
あなたが向けてくれる眩しい笑顔に 涙してもいいですか
あなたと一緒にいられることに 涙してもいいですか
今日も生きていられることに 涙してもいいですか
世界がまだちゃんとあることに 涙してもいいですか
私の存在を認めてくれる人がいることに 涙してもいいですか
嬉しいと思うことは尽きることなくあるから
その気持ちを涙に変えてどこかの誰かに届けたい
これだけ幸せなことがあるから
きっと私は、また泣ける